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4.時間とともに変化する電磁界

4.2 インダクタンス

 電気工学でよく使われる概念、インダクタンスについて述べる。インダクタンスは電磁誘導のおこりやすさを示す。静電界で扱った、キャパシタンスと比較するとわかりやすい。

相互誘導(mutual inductance)
 相互誘導は相互インダクタンスともいう。図のように電磁誘導が生じるとき、コイル1に流れる電流Iの時間変化dI/dtがコイル2に電圧Vを生じさせる。その生じやすさを相互誘導Mという、電磁誘導の生じやすさはコイル1に流れた電流が作った磁束がどれだけコイル2を貫くかという効率で定義すればよい。式で書くと、
    
となる。このように定義すると、
    
となる。なぜなら、電磁誘導はコイル2を貫く磁束の時間変化 によっておこり、 であらわされるからである。
 相互誘導Mはコイル1と2の幾何学的配置(形、大きさ、位置)とコイルの間にある物質の透磁率のみによって決まる。また、その単位はヘンリー[H]という。
    
上の式は電流と電圧のみを含んでいるので電気工学において使いやすい表現になっている。相互誘導Mを持った電気回路素子を相互誘導、相互インダクタンス、トランス(transformer)などと呼ぶ。

自己誘導(self inductance)
 コイルに流れる電流を変化させると、自分自身にも誘導がおこる。電流を大きくしていくと、自分を貫く磁束が大きくなる。したがって、
    
は負の値をもつ。
相互誘導と同じように扱えるように
    
と自己誘導L(単位:ヘンリー)を定義すると。
    
となる。
 自己誘導をもった素子も電気工学でよく使用される。そのような素子は誘導あるいはインダクタンス(inductance)と呼ばれる。

インダクタに蓄えられるエネルギー
 キャパシタはエネルギーを電界のかたちで極板の間に蓄えた。インダクタはどうだろうか。
 例によって、少しだけ変化させるのに必要なエネルギーを求め、それを0から最後の状態までたしあわせる。それには、インダクタに電流Iが流れていて、dIだけ大きくしたいとき、どれぐらいのエネルギーが必要か考える。
 インダクタでは電流を大きくさせないように誘導が生じる。その大きさは
    
で、これに逆らって電流を流す。必要なエネルギーは、V I = 電力 であるから、
    
 インダクタが蓄えてるエネルギーはdwを0 からI まで足しあわせればよい。ゆえに、
    
となる。
 次は、このエネルギーを電界・磁界のかたちで表してみよう。説明は省略するが、無限に長いコイルの一部分(長さl )のインダクタンスは
    
で表される。μは透磁率、nは単位長さあたりの巻き数、Sはコイルの断面積である。また、コイルの内部の磁界はアンペールの法則
    
から
    
    
これらを、     
に代入すると
    
この式はインダクタはその内側の空間Sl にエネルギーを磁界として蓄えていることを表している。



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