5. electromagnetic wave 電磁気
5.電磁波

5.3 電磁波の性質

 波動現象の復習をかねて、電磁波の性質について考察する。
 物質中での電磁波の振る舞いについても検討する。電磁波といえども、その振る舞いを決めるのは静電界・静磁界と同じく誘電率・導電率・透磁率である。

平面波(plane electromagnetic wave)
 電磁波の発生源から無限に遠いとき電磁波の電界と磁界はともに進行方向に垂直になる。このような電磁波を平面波と言う。平面波はイメージしやすいのでよく使われる。全ての電磁波は平面波の重ね合わせで作ることができる。

    
  数式を使うと、平面波の電磁界は次のように表される。
     
     
ここで、Ex, Byは電界と磁界、Ax, Ayは電界と磁界の波の振幅(amplitude)、()内の角度を決めるファクタは位相(phase)という。kは波数[rad/m] (wave number)で k = 2π/λ、 zは位置、 ωは角周波数[rad/sec] (angular frequency)でω=2πf、 t は時間。
この波を図にするとこうなる。
ある場所に止まって波をながめると、
    
 ある時刻にこの波をながめると、
    
 時間の波と空間の波を両方一度に書くとこうなる。時間的にも、空間的にも波打っている。
    

波動を表すパラメータには次のようなものがある。
繰り返し時間T:周期 [sec]
繰り返すまでの距離λ:波長 [m]
1秒間の繰り返し数f:周波数 [Hz]      f = 1/T
1秒間にまわる角度ω:角周波数 [rad/sec]   ω=2πf
1mの間にまわる角度k:波数 [rad/m]    k = 2π/λ

波の進む速さ (speed of light)
 波の進む速さは周波数と波長によって決まる。

    
 電磁波はどれぐらいの速さで飛んでいくのだろうか。電磁波の進む速さは光速といわれる。電磁波の存在を示す波動方程式は
     
その解のひとつは
     
この解を波動方程式に代入すると、例えば電界は
    
 これより、
     
また、v = fλで、f = ω/2π、λ=2π/k なので、
     
実測によると、真空中の光速cは[m/sec]。比誘電率は1より大きいので、物質中の光速は真空中より必ず遅くなる。

屈折(refraction)
 物質の誘電率と透磁率によって電磁波の速度は決まり、物質によって異なる値となる。したがって、物質の境目では屈折が生じる。コップにさしたストローが折れ曲がって見える現象である。
    

反射(reflection)
 導体表面での反射
 理想的な導体の表面では入射したすべての電磁波は反射される。
    

 誘電体の境界面での反射
 誘電体の境界面では入射した電磁波の一部は反射され、一部は屈折しながら透過する。
    

減衰(attenuation)
 物質中を電磁波が伝搬するとき、電磁波の電磁界によって物質中の電荷が動き(電流)、電荷の運動エネルギーは熱に変わり、電磁波はエネルギーを失っていく。電磁波の電磁界はだんだん振幅が小さくなっていく。導電率の大きい(抵抗の小さい)物質は電流を流しやすいので、電磁波は早く減衰する。

    

  ここで述べた減衰の仕組みはX線など高エネルギーの電磁波には適用できない。高エネルギー線の場合、電荷(分子や電子)の位置を変えるだけではエネルギーは吸収されず、原子核から電子をはぎ取ることによって、エネルギーを失う。

波動の周波数解析(フーリエ解析)
 あらゆる波は正弦波の重ね合わせで作ることができる。また、各周波数成分に分解できる。音波は空気の振動であるが、それを高音成分、低音成分などに分解できるのはこの解析法に基づいている。

    



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